2016-01-01から1年間の記事一覧

外は雨

同級生が死んだ。交通事故だった。メディアで散々食いものにされたあげく、街が彼のことを忘れかけたころ、彼は行ってしまった。彼はこんこんと、2週間眠り続けた。機械に生かされている彼を前にして「今後一命を取り留めたとしても、状態は良くて寝たきり、…

暑すぎる、毎日、毎日。人間が生活する気温じゃないな、と思う。暑すぎて、息をするのも苦しい。今日はニュースキャスターが「体感温度は41度です」と伝えていた。この世の終わりなのかな。夏はきらい。暑いのも虫が多いのもいや。でも、洗濯物はよく乾くか…

あしたへ

さいきん、作り置きだとか買いだめだとか、していると、これを使い終わるまで生きているだろうか、と思う。 いつ終わるか分からないから、遺書を書いた。書いている途中、ふと、書き終わったら死のう、と思った。そんなに深刻な感じはしなかった。ちょっとラ…

カメラはうそをつかない

『さみしい。この一秒一秒が過去になっていくのが、さみしい。』 どうして写真を撮っているの、と尋ねられた。すこし悩んで、記憶力がないから、とわたしは答えた。 わたしは昔から、起こった出来事を記憶しておく力が弱い。これ以上悲しいことなんてないと…

ホープ

街でよく会う外国のひと、最初は知らん顔、だんだん手を挙げて挨拶をするようになって、最近はHow are you?と聞かれるようになった。I'm fineしか返事を知らないのでいつもわたしはげんき。そうしてそのまままたすれ違って別れる。それだけ。 だけど昨日、ひ…

愛しかないけど

両親の喫茶店はバイトを雇わずふたりで切り盛りしているので、片方が倒れると途端に店がまわらなくなる。両親ともに時間差で風邪に倒れたので、ここ数日は自分のバイト以外の時間、大体私も店に立っている。 うちのお店のお客さんは、ほとんどが年配の方だ。…

心の中の色紙

あの素晴らしい時間を、言葉にすると安っぽくなってしまうと思うのだけど、忘れたくないから残します。 誰もが、"旧andymori"を意識していたと思うし、それは仕方のないことだと思う。だけどそこにいたのは、(当たり前なんだろうけど)"旧andymori"じゃなか…

おはよう

何か、しなければ。と思い立って、平日の一日休みに電車で小さな旅に出ることにした。鈍行で、片道1000円。それだけで一時間電車に揺られることが出来るらしい。遠出の気分を味わうにはそれで十分だった。 電車は、ちょっぴりセンチメンタル。 知らない街を…

ねむり

高校生のときに買って、読んだつもりになっていたよしもとばななの「白河夜船」を読んだ。眠りの三部作。5、6年も読まれず本棚にずっと居たんだな よしもとばなな自身も、底辺にいたことがあるんだろうな、と思った。あるサイトでは「おちるところまでおちた…

君に春を思う

お花の話 お友達にお花を当てはめるひとり遊びをよくする。あおちゃんはデルフィニウム、きえるちゃんはガーベラ、雛子ちゃんはアネモネ、ひよりちゃんはカモミール、という感じに。わたしはホトケノザ、って感じかな。 でもお花は好きだけど、あんまり詳し…

本当のことは言わないで

一年前の今ごろのことを嫌でも考えてしまって心がざわざわする。仕事を辞めたのは去年の三月十五日。 二月のはじめは、仕事を一週間休んだ。半ばになると、薬の飲みすぎで記憶を飛ばした。そのまま事故ったり倒れたり、まぁいろいろ。 今はもうあのときの自…