ねむり

f:id:mizuumi_no_asa:20160212211635j:plain高校生のときに買って、読んだつもりになっていたよしもとばななの「白河夜船」を読んだ。眠りの三部作。5、6年も読まれず本棚にずっと居たんだな

よしもとばなな自身も、底辺にいたことがあるんだろうな、と思った。あるサイトでは「おちるところまでおちたことがないひとには、わからない物語なんじゃないかしら」と感想を書かれていた。確かにそうかもしれないな。

この本を読んで、眠ることしか出来なかった一年前の私が少し救われた気がした。仕事を辞めてからの半年間は、すごく不思議な時間だった。私の部屋だけ空間が別で、めまぐるしく過ぎているようにも、停止しているようにも思えた。回復であり、腐敗。

何千回も同じ曲を聞いた。寝ているのか起きているのか分からない朦朧とした日々。それでも確実に回復に向かっていたんだな、と今は思える。

『まるで祈りのような気分だった。―――この世にあるすべての眠りが、等しく安らかでありますように。』

この部分が大好き。安らかに眠れますよう。

またね。