あしたへ
さいきん、作り置きだとか買いだめだとか、していると、これを使い終わるまで生きているだろうか、と思う。
いつ終わるか分からないから、遺書を書いた。書いている途中、ふと、書き終わったら死のう、と思った。そんなに深刻な感じはしなかった。ちょっとラーメンでも食べにいくか、みたいな、それくらい軽い感覚で、死のうと思った。
死のうと思うときにはいつも、同じ建物の屋上にいる。今までも、数回来た。地面を見下ろして、やっぱり無理だ、と思う。これもいつものことだ。死ねないとハッキリ分かると、すこし楽になる、ような気がする。
どうでも良くなって、コンクリートに寝転んでみた。このまま朝になるのも悪くないな、と思っていたら、ほんとうにすこし眠ってしまっていた。まだ夜風がつめたくてすこし身体が冷えた。
結局また死ねずに生きている。遺書を書く前につくったいちごのジャム、まだ半分近く残ってる。明日の朝は、トーストにしようかな。使い終わるまで生きてみよう。