別に話はないけれど

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暗い昔話をします。

私が精神科に通う前、先輩は私に「もう頑張りすぎるな」と言った。私は「そんなに頑張ってないですよ」と答えた。「このままだと体調を崩す」という言葉に「人間そんな簡単に壊れないもんですよ」と返すと「思ったより人は簡単に駄目になる」と言われた。ヘラヘラ笑いながら「大丈夫ですよ~」という私の目をしっかり見て、もう一度「もう頑張るな」と言った。そのまま目を見続けると涙が出そうで逸らした。最後、「これ以上話を続けたら、お前泣くだろ」と言うので「そうですね、この話は終わりにしましょう」と言った。

先輩が言った通り、一年後には私は完全に壊れた。

仕事を辞める1ヶ月前には、私はもうボロボロだった。家から出られなくなり一週間仕事を休んだ。復活して一週間、今度は風邪をひいて仕事を数日休んだ。次の出勤で、私は薬を飲みすぎて記憶をなくした。

数日後、先輩は真剣な顔をして、なんの前触れもなく「お前、絶対に死ぬなよ。」と言った。あまりにも真剣で、ヘラヘラしながら「死なないですよ〜」なんて笑うことが出来なかった。その時初めて先輩の前で泣いた。今まで何があっても泣かなかった私に、先輩は驚きも慰めもしなかった。私は泣きながら「私何度も死のうと思ったんです」と話した。こんな話するべきじゃないのは分かっていた。それと同時に私は、身近な誰かにずっとこの話をしたかったのだな、と思った。

先輩は私の話を黙って聞いてから「俺が30年近く生きてきて、他の誰もが持ってなかった良さを持っている人が居た。それがお前だ。死んでその良さをなくしてしまうのはあまりにも惜しい。お前の良さは、この会社でなくても活かせる。だから、もう仕事を辞めろ。辞めて、生きろ、それだけ俺と約束してくれ」と言った。ボロボロ泣いた。「その私の良さって、なんなんですか」と聞くと「今は教えない、だから生きろ。何年後かに教えてやる。分かったか?生きろ。約束しろ」と言った。先輩は最後まで私に優しかった。私がリストカットをしても、死にたいと嘆いても、それと真剣に向き合おうとする人なんて居なかった。どうせ死なないからだ。私自身も思ってた。どうせ死なない。死ねない。だけど先輩は、本気で、私に死ぬなと言った。私が私と向き合っていなかったのに、初めて私に向き合ってくれた人だった。「分かりました、絶対に死にません」と、私は答えた。

これは、私が底辺だった時の話。今は這い上がってる。何故、今こんな話をしてるのか分からない。多分だけど、減薬をしているから、精神的にグラついているのだと思う。ごめんなさい。

これを書いたのは少し前で、今は落ち着いてるから、大丈夫。もう、こんな過去には戻らないという戒めも込めて、ブログに残します。

私は、地面を這ってでも、生きるよ。

またね。