長い終わりが始まる

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「『終わり出してからが長い』っていいね」「そう?ここはまだ、終わりが始まったばかりなんだよ」「『長い終わりが始まる』って、小説のタイトルにしたいくらいだね」

長い終わりが始まる/山崎ナオコーラ

和を乱す小笠原のことが終始気に食わなかった。私は協調性を重んじてるしわざわざ雰囲気を悪くさせるようなことはしない。だけどここまで居心地の悪い気分にさせられるのは、同族嫌悪からだろうな、と思う。私も本当は仲良しごっこなんて嫌いだし、もっと自由でいたい。でも協調性をなくしては人間関係をうまく築いていけないし、被害妄想の激しい私は気遣いばかりしてしまう。痛々しい青春、という感じだった。

少しずつ長い時間をかけて江國香織の「とるにたらないものもの」も読み終わった。(ずっと「とるにたらないもの」だと思ってたら違った、失礼。)

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また本を買ってしまった。私は本を読むのももちろん好きだけど、それより“本を集めるのが好き”といったほうが正しいと思う。私には未読の本が大量にある。なのに買ってしまう。真の読書好きには怒られそうだけど、私の中では本が並んでいることに意味がある。

読書好きに怒られそうな話をまだ少しすると、私が読書を始めたのは暇つぶしだった。学校の授業が退屈で、携帯を触ると没収されてしまうけど、本ならば、と思い読んでいた(結局本も没収されたことがあったけど)(そんなときのために予備を持っていた)。国語の授業で熱心に教科書を読むフリをして、開いた教科書の中に小説を入れてよく読んでいた。改めて考えるとそんなもので隠せるわけがないんだけど、当時は画期的な方法を発見したと思っていた。先生には「教科書って本当面白いですよねえ」とチクチク言われていたけど「そうですねえ」と返して本を読んでいた。

本の話。