雨は毛布のように

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眠るなら、図書館がいい。出来るだけ使い込まれてくたびれている図書館のほうが良い。床は踏みつぶされて固くなった絨毯だと、なお良い。

新品の本が並ぶより、図書館や古本屋などの使い古されたもののほうが安心する。高い本棚と本棚の間、狭い通路で眠りたい。

そこでなら、安心して眠れる気がする。近くで知らない誰かが読書に耽っていると良い。誰も利用していない廃れた図書館だって、愛している。どこになんの本があるのか分かりにくいような、雑然とした感じがいい。

眠るなら、図書館。

九月に入って、一気に空気が秋めいてきた。季節は冬が一番好きだけど、月でいうと九月が一番好きだ。朝晩の少しずつ涼しくなってくる切なさが良い。

九月には、自分の誕生日もあるし。他の人にとってはなんでもない一日だなんてこと分かりきっているんだけど(私も人の誕生日は忘れているし)、それでもなんだかそわそわする。まだ子供なんだろう。だけど、いつまでもその単純さを持って生きていたい、とも思う。

好きな食べ物は、と聞かれると「チョコレート」と即答するような、そんな私の馬鹿な単純さが、私は好きだ。